総合評価 3.7点 / 5点満点中
エイリアン、ブレードランナーなど名作を生み出してきたリドリー・スコットが1989年に公開した映画だ。
この映画はアメリカのよくあるビバリーヒルズコップやリーサルウェポンなどと同じアクション映画とカテゴライズできるが、舞台が日本だけあってかなり異質でアメリカ人が好きな日本のイメージが先行しているようにも見える。
そしてその異質さの理由はなんといっても日本人なら知っている高倉健、内田裕也、ガッツ石松、松田優作という錚々たる面々が出演しており、日本人には分かりやすくて助かるけどいいの?と思ってしまうほど日本の有名人が多いのだ。
ストーリーはシンプルにアメリカの刑事2人が松田優作演じる佐藤をアメリカで逮捕し日本に送還するため3人で来日するのだが空港で逃げられてしまい仕方なく日本の警察と協力して佐藤を追いかけるという展開。
この手のアクション映画だと普通は派手な展開が多いのだが日本とアクション映画の相性の悪さのようなものを終始感じた。例えば街中で追走するシーンや銃をぶっ放してモノや車が壊れたりする表現はあまり見られないし、あっても畑の中をバイクで爆走するというシーンが主でちょっと地味じゃ?と感じてしまうシーンが多い。それから工業地帯で撮影したようなシーンが何回か出てくるが
「どこで録ってんの?」とツッコみ入れたくなるシーンが多く、よく日本で本格アクション映画録ろうと思ったなぁと逆に感心してしまった。
ただ80年代の風俗、文化、貧富の差を対照的に描いているところと、発展途中の日本の貴重な資料映像のような側面も日本人にとっては面白い要素であり、評価が上がる要因となった。
松田優作さんの遺作となった作品であり、日本人的にはヒールの松田優作さんを見れる貴重な作品なのではないかと思うが私が思うにこの映画は一言で表現すると 暗い だ。
少しだけ反戦的なメッセージ性が見えるシーンがあり、そこでこの作品の裏の意図みたいなものと繋がって「なるほど」と思えたり、普通ヒーローはヒーローのまま描くものだがこの作品では全員一人一人がただの人間で小さくとも悪いことはするものだという裏テーマみたいなのも見えたりしたが見えるたび暗い映画だなぁと思った。
大阪で主に撮影されたそうだが大阪のネオン街の明るさと対照的なみんな何かしら悩んで抱えているという暗さが面白いという異質な作品だが、そこの面白さが響いたので3.7点にしました。
最後に、もしあなたが暴力的な表現などが苦手でなければ一度は見てもいいと思う。それでも最後の方はあまりオススメはしない・・・。
マフィアってなぜこんなにこわいんだろう・・・。こわい。