11月 2025


プレデター 1987公開

総合評価 4.2点 / 5点満点中

最新作も面白そうなプレデターの1作目。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の今作ははっきり言って面白い。ダイハードやチャイルドプレイ、エイリアンなどにも言えることだが1作目の面白さってなんだろうね?私が思うにザックリとした全体像があるなかで変更も交えながら進化させていく過程も込みで描かれていくから面白いのではないかと勝手に思った次第だ。


ストーリーは行方不明者奪還のため派遣されたシュワちゃん率いるコマンドー部隊が密林に赴き予期せぬ敵プレデターと闘う物語が本筋だ。

この映画を簡単に見るとプレデターVSコマンドー部隊という安直な構図に感じるかもしれないが脚本が素晴らしい事に是非注目してほしい。

私が素晴らしいと思った点は二つ

コマンドー部隊のそれぞれにドラマがあり今作の短い時間の中でそれを表現していることが1つ。例えばマックとブレインの関係性についてだが、今まで苦楽を共にしてきた戦友に対する描写にリアリティがありこの映画に深みをもたらしていることは言うまでもない。

そして2つめはなんといってもシュワちゃんとプレデターのサシの闘いが頭脳戦であり普通のアクション映画の範疇では表現できない高みにある表現だという事だ。

はっきり言ってこの映画以外では見れない手に汗握る戦闘シーンと迫りくるプレデターの見せ方は最高級。

中盤の仲間が次々殺されてしまうシーンはあくまで前菜でありシュワルツェネッガーVSプレデターを盛り上げるための演出に過ぎないことは見ればわかっていただけるだろう。

そんなラストに向けての展開では、武器を失ったシュワちゃんが普通諦めて逃げるか絶望するようなものを自作の弓矢と古いトラップでプレデターとやりあおうとする描写に熱くなるしプレデターが熱を感知していることを偶然発見して目には目をな展開を繰り広げるあたりが今作の一番の見どころではないだろうか?

なによりこの設定と脚本考えたの素晴らしく頭がいいなと思う。

プレデターって結局なんじゃい!ってなことはさておき、この1作目ではそのあたりを語らず淡白に強者VS強者の物語として描いている点はやはり素晴らしいの一言に尽きる。そういった意味で無駄がなく続編も気にならないくらいに今作で満足できる仕上がりになっている点は当時の映画黄金期を象徴していると言っても過言ではないだろう。

ちなみに今作の監督はラストアクションヒーローの監督でもありどちらの作品にもシュワちゃんとリトルリチャードが関係している点に関して私はすんんんごく気になっている。

まぁとにかく練りに練った細かい設定のよい例であるこの作品プレデターは映画好きなら見ない訳にはいかないだろう。

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ラストアクションヒーロー 1993年公開

総合評価 3.7点 / 5点満点中

シュワルツェネッガー主演、映画好きな少年が魔法のチケットを手に入れ映画の中に入り込みアクションヒーロージャックスレイター(シュワルツェネッガー)と事件を解決していくストーリーだ。

よくあるアクション映画の類ではあるが今作はかなりファンタジー要素が強く、アニメのキャラクターが出てきたりスレイターが存在する映画の世界ではターミネーターの役をシルベスター・スタローンが演じているなど現実世界と映画の世界ではいろんなものの認識がずれているといった面白さがある。

たとえば現実世界だと物を殴れば手が痛むが映画の世界では痛みを感じないし普通のレンタルビデオ店の店員がスタイル抜群の美女しかいないなどアンリアリティなことが映画の世界では常識で現実世界では有り得ない事が多いといった特徴がある。

この映画は平凡なアクション映画ものといってもいいのだが、前述した非現実的かつなんでもありな前半とリアリティに翻弄される後半という分かりやすくも練られた構成の面白さが醍醐味といえよう。

他の見どころはシュワルツェネッガーのアクションはもちろんだが細かいところにアクション映画のあるあるだったり、アクション映画ならではな展開や描写が盛り込まれていてアクション映画嫌いな人にはうんざりしてしまうようなアクション映画の美味しさ満載なところにある。その臭さをアクション映画の世界  だ か ら という設定でやりたい放題やったところはとても素晴らしいと思う。

つまり普通ならつまらなく感じてしまうようなアクション映画あるあるも映画の中なんだから仕方ないというアクション映画アンチすらも黙らせる免罪符的なこの手法には感服する。アクション映画なんだから当たり前でしょ?批判する方がナンセンスだよね。という暗黙の了解を強いることができるわけだ。

この脚本の強さと絞り出したようなアイデアの数々に対して敬意を表したい。

ポイントをあげるとすれば、映画に入るシーン、エレベーターでの銃撃、ラストに向けて畳み掛ける展開の3ポイントが最高に面白い。


個人的に私が4、5歳の頃によく見ていた映画ということもあり、それもあって高得点にはなっているのだがスレイターが映画の世界に戻るまでとその後のラストの見せ方についてはこの映画でしか見せられない秀逸なラストだといまだに思う。

この映画には90年代のほこりっぽさとカリフォルニアの暖かさ、懐かしい匂いが満載なので幼い頃金曜ロードショーで見ていた私にとっては最高の映画だ。

ちなみにACDCがサントラ提供しているがシュワちゃんが依頼したらしい。

他にも当時人気のあったハードロックバンド達の曲がBGMとして使われているあたり素晴らしくロックな映画なのでロック好きにはたまらない映画でもある。(後半にリトルリチャードが出るよ、ちなみにこの映画の監督はプレデターの監督でもあるんだが、プレデターの冒頭でリトルリチャードの曲が流れる。なーんかあるのかな??)

というわけでこの素晴らしくアメリカンでハンバーガーとドクターペッパーが欲しくなる映画は1度は見てほしい。展開と設定に関しては本当に面白い映画なので見て後悔はないネ。

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総合評価 3.7点 / 5点満点中

エイリアン、ブレードランナーなど名作を生み出してきたリドリー・スコットが1989年に公開した映画だ。

この映画はアメリカのよくあるビバリーヒルズコップやリーサルウェポンなどと同じアクション映画とカテゴライズできるが、舞台が日本だけあってかなり異質でアメリカ人が好きな日本のイメージが先行しているようにも見える。

そしてその異質さの理由はなんといっても日本人なら知っている高倉健、内田裕也、ガッツ石松、松田優作という錚々たる面々が出演しており、日本人には分かりやすくて助かるけどいいの?と思ってしまうほど日本の有名人が多いのだ。


ストーリーはシンプルにアメリカの刑事2人が松田優作演じる佐藤をアメリカで逮捕し日本に送還するため3人で来日するのだが空港で逃げられてしまい仕方なく日本の警察と協力して佐藤を追いかけるという展開。

この手のアクション映画だと普通は派手な展開が多いのだが日本とアクション映画の相性の悪さのようなものを終始感じた。例えば街中で追走するシーンや銃をぶっ放してモノや車が壊れたりする表現はあまり見られないし、あっても畑の中をバイクで爆走するというシーンが主でちょっと地味じゃ?と感じてしまうシーンが多い。それから工業地帯で撮影したようなシーンが何回か出てくるが

「どこで録ってんの?」とツッコみ入れたくなるシーンが多く、よく日本で本格アクション映画録ろうと思ったなぁと逆に感心してしまった。

ただ80年代の風俗、文化、貧富の差を対照的に描いているところと、発展途中の日本の貴重な資料映像のような側面も日本人にとっては面白い要素であり、評価が上がる要因となった。


松田優作さんの遺作となった作品であり、日本人的にはヒールの松田優作さんを見れる貴重な作品なのではないかと思うが私が思うにこの映画は一言で表現すると 暗い だ。

少しだけ反戦的なメッセージ性が見えるシーンがあり、そこでこの作品の裏の意図みたいなものと繋がって「なるほど」と思えたり、普通ヒーローはヒーローのまま描くものだがこの作品では全員一人一人がただの人間で小さくとも悪いことはするものだという裏テーマみたいなのも見えたりしたが見えるたび暗い映画だなぁと思った。

大阪で主に撮影されたそうだが大阪のネオン街の明るさと対照的なみんな何かしら悩んで抱えているという暗さが面白いという異質な作品だが、そこの面白さが響いたので3.7点にしました。

最後に、もしあなたが暴力的な表現などが苦手でなければ一度は見てもいいと思う。それでも最後の方はあまりオススメはしない・・・。

マフィアってなぜこんなにこわいんだろう・・・。こわい。

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